Kindle本で翻訳本出版はやめた方が良いです

これもまた、権利関係の交渉で面倒なだけですし、
その価値のある本の場合、そもそも大手の出版社じゃないと相手にすらされないので、
取り組むだけ時間の無駄といえます。

また、しょせんは電子書籍ですからね。
全てが完璧にうまくいったとしても、大して売れませんし、
せいぜいそのプロセスが人生の思い出になるくらいの収穫しか得られないでしょう。

そもそも、翻訳本に関して誤解している人も多いのですが、
ただ単に英語ができればいいというものではありません。
その分野に関する専門知識を十分に有していなければ本質を読み取ることはできませんし、
なおかつかなり高い日本語力を有していなければ、それを正確に伝えることもできません。

事実、有名ビジネス書の中にも、
翻訳者や完訳者の専門知識が不足しているがゆえに、
文章を翻訳しただけの、表層部だけが持ち込まれているというケースは多々あります。

せっかくなので、私の専門分野に関する一例をご紹介したいと思います。

あなたは、教材コンテンツの販売ページを見たことがあるでしょうか。
タテにビローーーンと長い作りで、
長々とセールスレターと呼ばれる売り込みのコピーライティングが書かれているのですが。

その中に、よく盛り込まれている「返金保証」という言葉。

実は、この概念は、海外のセールス本から持ち込まれているのですが。
あいにく、翻訳者や完訳者の知識不足ゆえに、その本質が正しく伝わってきておりません。

この「返金保証」は何のために付けているのか。

マーケターを自称する人たちに質問をすると、ほぼ全員がこのように答えます。

「品質と成果に対する絶対的な自信を示し、見込み客の意思決定の背中を押すため」

実際、返金保証に関する理論が語られているビジネス書にも、
そしてその元ネタになっている海外の書籍にも、
そういった説明がなされています。

ゆえに、それが正しい考えだと信じ込まれているのですが・・・。

実は海外の書籍に書かれている先のくだりは、完全に建前なのです。

著者の思惑は別の所にあるのです。

ただ、立場上、それを明言することができないのと、
明言することで本来の効果を失ってしまう懸念があるので、建前を語っているのです。

そして、その建前をそのまま翻訳しているがゆえに、
本質が伝わっていないという現象が起きているのです。

では、海外のマーケターはなぜゆえに、
自身の商品やサービスに返金保証を付けているのでしょうか。

それは、「訴訟対策」です。

ご存じのとおり、アメリカは訴訟社会として知られています。
それこそ、タチの悪いクレーマーが、あれこれ難癖を付けて、
企業から法外な賠償金を巻き上げたというエピソードには事欠きません。

そういったリスクを回避するために、
海外のマーケターは返金保証制度を設けているのです。

すなわち、お金さえ返せば、あなたとの取引契約はそれまでです。
クレームをいわれる筋合いもなければ、訴訟される筋合いはありません。
むしろ、それ以降、業務に悪影響を及ぼす行動を取った場合は、逆に訴えますよ、ということなのです。

というわけで、返金保証というのは、
すぐに訴訟を起こすような
モンスタークレーマーに満ちあふれた国でビジネスをする上での、自衛手段なのです。

ともあれ、それを露骨に理論として解説するわけにはいきません。
ただ、現地の事情を知っている人ならば、その辺の事情は暗黙知でわかっているわけです。

だからこそ、建前で
「商品やサービスの品質や結果に自信を示し、
見込み客の意思決定の背中を押すために返金保証を付けましょう」
といわれても伝わるのです。

ともあれ、翻訳本の場合は、翻訳者や完訳者に、
こういった知識の奥行きがないと、その本質を伝えきることができません。
ゆえに、日本のような訴訟リスクが低い国でも、
誰も彼もと、返金保証を付けるような滑稽な状態になっているのです。

むしろ今では、あまりに返金保証が一般化しすぎていて、
教材コンテンツの類には返金保証があってしかるべきと勘違いしている人も多いようです。

そのため、返金保証を付けていない商品にさえも、返金請求をしてくるような
頭のおかしいモンスタークレーマーすら生まれてしまっているのです。

ちなみに、返金保証をしていない商品であるにもかかわらず、
クレームや批判、誹謗中傷などと共に返金請求を行う行為は
強要未遂と見なされる場合もあるようです。

実際に返金を受け取ると強要罪が適用され、被害者である企業に通報された場合、
法的処罰の対象になる場合もあるのだとか・・・。

というわけで、話を戻しますが。

ただ単に、英語が読める、翻訳ができる、というだけで翻訳本を出している人のせいで、
日本のインターネットマーケティングの世界が大荒れになってしまったように。
翻訳の仕事は、極めて複雑で難易度の高いものなのです。

あと、そもそもの話をすると、
著者のIQが非常に高い場合、
同等のIQを持っていないと、行間が読み取れずに
正しい翻訳を行うことが出来ません。

IQの低さゆえに、著者のユーモアが読み取れていない人の翻訳を見ると
悲しい気持ちにすらなります・・・。

したがって、その各種手続きの手間事態もそうですし、
求められる資質のハードルの高さ、
そしてそれに対して報われる金額の少なさゆえに、
手を出すべき分野ではないと結論づけるのが自然なのではないでしょうか。

いずれにせよ、2~3時間もあれば
1万文字の原稿を書き上げ、本を完成させることができる以上、
何も、そんな難解な課題に取り組まなくても・・・と、冷静になるべきでしょう。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です