編集者と人脈を作れば出版できるのウソ

人とのつながり、すなわち人脈に関する幻想をいだくのは、
主に会社員の人に多い傾向ですが。

著者を志す人が多い経営者や起業家であっても人脈幻想を持っているようです。

結論から先にいえば、
編集者と仲良くなったところで、出版オファーが来るということはありません。
1回出版を経験して、
そこで仲良くなればオファーが来る可能性はあるかもしれません。
ですが、仲良くなったことを理由にしてのオファーは絶対に来ないので、
くれぐれもご注意ください。

ちなみに、「編集者と仲良くなれば」「編集者とつながりができれば」といった幻想ゆえに、
インチキ出版塾の多くは、
帳簿に載らないお金を払って編集者を招待している場合があります。
そして、参加者の懇親会で名刺交換などをさせるのです。

すると、たとえその出版塾の指導期間内に出版に至らなかったとしても、
そのつながりができたことで安心して、
クレームや返金請求などが起きないのです。

さらにいうと、クレームや返金請求をすることで、
せっかく手に入れた編集社とのつながりを失うことへの恐れ、
さらにはそこから出版業界全体へと悪評が広まることへの恐れゆえに、
何もできないままという人も少なくありません。
インチキ出版塾は、まさにこの心理を巧みに利用しているのです。

そもそも、多少なりとも編集者さんに出版する本を決める権利があることは事実ですが・・・。
それでも、彼らはあくまで会社員であり、会社に雇われている立場なわけです。

さて、そこで果たして、
自分の立場を危うくするような賭けをするでしょうか。
それこそ、失敗した時に、著者と仲が良いことを知られたら、
ことさらに都合が悪いと思いませんか。

客観的な指標で出版オファーをし、
ビジネスライクな付き合いをした上での、
売れなかったという結果であれば会社側も仕方ないという見方をしてくれるかもしれません。

しかし、親しい関係であるがゆえの出版となると、
やはり客観性を欠いた判断による失敗ということで、
査定に響く可能性は否定できないでしょう。

そして、何もこれは、出版に限った話ではありません。

たとえば、あなたがコピー機のセールスマンだったとします。
そこで、あなたの学生時代の親しい友人を3人思い浮かべてください。

そして、今すぐにその友人の勤める会社に電話をして、
「うちのコピー機を買ってくれ」とお願いしてみたらどうなるでしょうか。

おそらく、購入を検討してもらうどころか、
その仕入担当の紹介すらもしてもらえないでしょう。
これが現実なのです。

というわけで、人間的に親しかったとしても、
ビジネスは別問題というシビアな考えを持つべきなのです。

とりわけ、出版業界は、何度もくり返すようにすこぶる業績が悪いです。
不景気にあえいでいます。
だからこそなおさら、そのあたりの考えはシビアにならざるを得ないのです。

でもって、そんな業績のよろしくない会社だらけの業界で働いているがゆえに、
編集者さんもイメージほどお給料をもらっていません。
そのわりに、毎日終電まで、時に泊まり込んでのサービス残業ざんまいで、
土日返上で働いているような状態です。

さて、そんなところに、参加者と名刺交換をするだけで、
帳簿に載らないお小遣いがもらえる!といったおいしいい話が来たらどうでしょうか・・・
ということなのです。

もちろん、誇り高く働いている編集者さんもたくさんいます。
インチキ出版社に関わるような編集者さんはごくごく一握りだと思います。

ただ、どちらにしろ、
親しいことを理由に出版オファーをしてくるような脳天気な編集者さんは
いないという現実は知っておいた方がよいでしょう。
その手の展開は、バブル期みたいな、
ノリと勢いだけでやっていけた時代に限った話なのです。




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