誰かにアドバイスをしている人の言葉にご用心

オンライン、オフライン問わず、
悪意あるウソにだまされないために気をつけるべきことがあります。

それは、誰か第三者に対しての
アドバイスをしている人の言葉に気をつける、ということです。

実は、悪意あるデマやウソは、
自分に直接向けられたものではなく、
第三者間の会話を小耳に挟んだことにより拡散することが多いのです。

その性質を利用して、
不特定多数を狙った、つり上げ式の詐欺行為を働く手口が、
インターネットの発達により拡散し、巧妙化しています。

豊川信用金庫の取り付け騒ぎの事件は、あなたもよくご存じだと思います。

登校中の国鉄飯田線車内で、
豊川信用金庫に就職が決まった女子高校生を、
友人たちが冗談で「信用金庫は危ないよ」とからかいました。

この発言は同信金の経営状態を指したものではなく、
「信用金庫は強盗が入ることがあるので危険」の意味だったようです。
そして、それすら冗談だったようですが、
言われた側の女子高生は真に受けてしまったのです。

その後、不安に思った女子高生から
「信用金庫は危ないのか?」と尋ねられた親や親戚を通じて騒動が広がっていき、
最終的に取り付け騒ぎに発展したという事件です。

情報流通が発達した今ならば、
まず起こりえない事件だとも言われていますが、果たしてどうでしょうか。
むしろ、今だと、より大規模な問題に発展しそうな感さえありますよね。

いずれにせよ、直接的な言葉よりも、
第三者間のやりとりにおけるアドバイスの方が、
妙に信憑性があり、影響を受ける方が多いのです。
それゆえに、豊川信用金庫事件のようなスキームを利用した、
悪意あるデマやウソの拡散が、今なおあとを絶たないのです。

つい先日の話ですが、
起業の実態を知らない大学教授やら、起業の敗者であろうつぶれそうなベンチャーの社長やらが、
新卒社会人に対して以下のようなアドバイスをしていました。

教授
「独立してからはクレジットカードを作れなくなるので、
 学生のうちか、会社勤めをしているうちに、カードは作れるだけ作っておいた方が良い」

社長
「独立してからはクレジットカードの審査がまったく通らなくなる。
 自分は7年間もカードを作ることができなかった」

一見、親身のアドバイスに見えますが、これは実態とは異なります。
教授のそれは、二次的情報の受け売りの一般論。
社長のそれは、低属性のイレギュラー的存在である自分の経験談です。

ともあれ、この手の自分に向けられたわけではない、
第三者に向けたアドバイスは、
直接的な利害関係が無いだけに、信用しやすいのでしょう。
その言葉が発せられて数時間後には、それぞれ1000回近くリツイートされています。
こうしてデマが拡散されている、というわけです。

なお、彼らの発信が影響力を持ったのは、以下のような背景も後押ししているでしょう。

まず、大学教授という権威性のある肩書きを持つ人による発信であったこと。

一方、儲かっていないベンチャー企業の社長という、
比較的親しみやすい、共感しやすい人による発信であったこと。

そして、双方ともに、事実ではないが、
一般論として定着している言葉を、
経験談のように、あるいは経験談として語っている、ということです。

余談かもしれませんが、一応補足をしておきます。

独立しても、普通にクレジットカードを作ることができます。
むしろ、学生時代や、サラリーマン時代に作れるクレジットカードの多くは、
いわゆる低属性向けのものですので、
そのようなカードを作れるだけ作っておくと、むしろその後、
ハイエンド向けのクレジットカードを作る際の足かせとなります。
多重債務者予備軍という見られ方をされかねないからです。

ともあれ、この手の真実が表に出ることはありません。

なぜなら、経験者でさえも、
先のデマやウソに支配された、思い込みの世界を生きているからです。

なまじ、発信者たちに悪意がない、
ただの知ったかぶりゆえの行動とはいえ、それに振り回される方は悲劇ですよね。

いずれにせよ、これを悪用する輩も世の中にはたくさんおります。
くれぐれもご注意ください。




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