あなたは正直ですか

あなたは正直ですか。

そんな風に問いかけられたとき、
よほどの偽悪者で、斜に構えている人でもない限り
おそらく「はい」と答えると思います。

でも、ウソをつきまくる人も、その質問に対して「はい」と答えます。

私も、よく、ウソをつきますが、
正直かどうかと問われたら、「自分は正直です」と答えます。

平和の対義語を「戦争」と誤解している方が多いように。
正直者の対義語を「ウソつき」と誤解している方が多いようです。

ご存じの通り、平和は状態を示す言葉なので、適切な対義語は「混乱」、
戦争は外交手段を示す言葉なので、適切な対義語は「話し合い」です。

これと同じように、正直者は性質を示す言葉なので
「不正直者」が対義語としてふさわしく。

ウソつきは行動の傾向を示す言葉なので
「ウソをつかない人」というのが対義語としてふさわしいといえるでしょう。

不正直な人は犯罪者にもなり得る存在で、
ウソをつかない人はこの世に存在しません。

多少の重複はあるとはいえ、
ウソつきを十把一絡げに犯罪者予備軍と呼ぶのは、
ウソつきはドロボウの始まりという、幼稚な論理にしたがうようなものです。

考えてもみてください。

会社の上司が、どう見ても悪趣味としかいえないようなネクタイを締めてきたとして。
さすがに、積極的にそれを
「おしゃれですね!」なんてほめることはないと思いますが・・・

「どうよ?」と聞かれたら
「悪趣味ですね、ファッションセンスを疑います」と
思った通りのことを答える人は、まずいないと思います。

つまり、程度の差こそあれ、ウソをついてごまかすというわけです。

このように、実生活において、人間関係を円滑にするには、
多少のウソは必要ですし、
むしろウソをつかずにズバズバと何でも思ったことをいう方が、異常者扱いされます。

実際、そういう方もいらっしゃいますが、
人間関係に苦労していますし、
ウソをつかない誠実な人間と見られるよりも
配慮のできないボンクラとして、周囲から鼻つまみ者になっていますよね。

以上のことからもおわかりいただけるでしょうが、
私たちの生活は、ウソと共にあります。

人間が社会的な生き物である以上、
お互いの関係を不必要に悪化させないために、
ウソは必要不可欠な潤滑油なのです。

潤滑油で思い出しましたが・・・。

いまだに就職活動で、自らを「潤滑油」と称する学生が多いようです。
私が就職活動をしていた10年前ですら、
同じような自己ピーアールをしている学生をよく見かけました。

これはすなわち、
「私は人間関係の調整のために平然とウソをつきます」といっているようなもので、
果たしてアピールになるのかどうか、甚だ疑問ですが。
というか、私だったら、そういう人間は怖くて下に置きたくないのですが。

どうも、そういう人間は、
表向きには協調性があるため、会社としては採りやすいのでしょうね。

話は戻ります。

私たちは子供の頃から、
親や学校の先生に
「ウソは悪いこと!」と教え込まれます。

しかし、社会に出てからは、
むしろ適度にウソを使いこなすことを求められます。

これは、何も矛盾しているわけではなく。

物心がつかない子供の頃は、
ウソをつかれると世話をするのが大変だったり、
最悪子供自身の命に関わる問題を
親や先生が把握できなかったりすることが背景にあります。

しかし、大人になれば、
そのあたりは全て自己責任で片付けられますからね。

むしろ、社会的な関わり合いが増えるとあって、
ウソをついて、建前で語って、
周囲と折り合いを付けることの方が重要になってくるのです。

ともあれ、いくらウソは必要悪だといっても、
悪意ある犯罪行為の手段としてウソをつく輩がいるのもまた事実。

とりわけ、昨今では、インターネットの匿名性を利用して、
悪意あるウソを垂れ流しているろくでなしもたくさんいます。
また、その手の輩の巧妙な手口にだまされて、
悪意無いままに、ウソを拡散している方もたくさんおります。

そこで、今日からしばらくは、
その手のウソをウソと見抜く方法、
そして悪意無いままにウソを拡散する方々に釣られないようにする方法について
お話ししていきます。

2016年末に世間をさわがせた、
ウェルクというキュレーションサイトの問題を覚えていらっしゃるでしょうか。
健康関連のコラムの多くが、
全て医学手金根拠のないライターの創作であることが発覚しました。

その後も、クックパッドに掲載されていた
乳幼児向け離乳食のレシピに、
絶対にたべさせてはいけないハチミツを使った料理が掲載されており、
それを食べた乳幼児が亡くなるという悲劇もありました。

最近では、日頃の憂さ晴らしなのか、
その手のサイトに遊び感覚でウソの情報を書き連ねている輩もいるようです。
先のクックパッドには、
これまた絶対に食べてはいけない
豚の生肉を利用したレシピが掲載されているようなありさまですからね。

いうまでもなくこれは、
悪意ある者によるいたずらでしょう。

ウェルクの問題で、本来であればより重罪であるはずの実行犯が批判されず、
運営元のDeNAだけが叩かれたことから、
何をやっても許されるとはき違えている感があります。

こういった事件が続くことにより、
せっかくインターネットによって広まった情報流通の広がりが、
私たちに利益をもたらすどころか、
多くの危険をもたらすものになりつつあります。

残念ですが、その手の連中に、
今さらモラルを説くことはできません。

おそらく、法的な処罰が下ったとしても、
その手の連中の本質は変わることがないでしょう。

むしろ「何で自分だけが、他にもやっているじゃないか」といった具合に、
被害者意識を膨らませるだけでしょう。

なにせ、先のウェルク問題で実行犯だったライターは、
DeNAからの指示書を公開することで、
あたかも社会悪を糾弾する正義の味方気取りでしたからね。

ともあれ、こういった現状を踏まえるに、
私たちは自分の身を自分で守るべく、
しっかりとした情報リテラシーを身につける必要があります。

ウソをウソと見抜くことはもちろん、
ウソをウソのまま受け入れてやり過ごす柔軟さが求められています。




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